タケプロンの大量摂取のリスク

 

タケプロンは症状によって用法・用量が決まっており、用法・用量を超える量の「過剰摂取」に関しては高いリスクがあります。

 

ここでは、タケプロン過剰摂取の危険性と、致死量についての解説を行います。

 

タケプロンに依存性はない

 

過剰摂取のリスクが高いものとしては、睡眠薬や抗不安薬などの依存性がある医薬品があります。長期連用するとだんだん効果が薄れて依存していき、服用量がどんどん増えていって、やがてod(オーバードーズ)と呼ばれる過剰摂取の状態になりやすいのです。

 

ただ、タケプロンには依存性はありません。そのため、長期連用によってodにいたることはまれでしょう。ただし、別の疾患の治療で睡眠薬や抗不安薬を服用している場合、「ついでに」その場にあったタケプロンを過剰摂取してしまう可能性はあるので、注意が必要です。

 

過剰摂取によって副作用が強くなる

 

タケプロンに限らず、医薬品は服用量が増えれば増えるほど副作用も強くなる傾向があります。

 

病例 副作用発生確率
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症など

15.2%

ピロリ菌治療

50.5%

 

→副作用は?便秘・下痢や眠気の症状が出る場合も

 

↑は、タケプロンを逆流性食道炎などの治療に使った場合と、ピロリ菌治療に使った場合の副作用確率の差となります。副作用確率に大きな差がありますが、それはピロリ菌治療の場合、通常の2倍~4倍の量のタケプロンを投与するからです。

 

つまり、服用量が増えるとその分副作用確率も跳ね上がるということになります。タケプロン過剰摂取の大きなリスクの1つがこの点にあります。

 

タケプロンの致死量はどのくらい?

 

タケプロンの過剰摂取のリスクとしてもう1つ気になるのが、「致死量」のはずです。もし大量服用したことによって死亡するようなことがあれば大変です。

 

医薬品の致死量については、LD50(半数致死量)が参考になります。これは「この量を服用すると、50%の確率で死亡する」という指標になります。

 

種別 LD50

ラット

543 mg/kg

マウス

1234 mg/kg

ハムスター

4110 mg/kg

参考ページ:Lansoprazole overdose

 

↑は各種動物のLD50の数値になります。体重1kgあたり、何mg以上服用するとLD50になる、と言う意味です。動物実験データなので人間にあてはめるのは難しいですが、目安にはなります。

 

ラットのデータで考えた場合、体重を60kgとすると30,000mgのタケプロンを服用するとLD50に達するということになります。30,000mgはタケプロン30mg錠の場合1000錠分となるので、現実的に服用できる量ではないことがわかります。

 

なので、タケプロンをよほど過剰摂取しない限りは、命に関わることはないと考えていいでしょう。とはいえ、あくまでLD50は半数致死量の数値なので、それよりも少ない服用量でも死亡する可能性はわずかにあるということもできます。また、たいていの場合過剰摂取はさまざまな医薬品の混合摂取となるので、致死量がわかりにくくなります。

 

いずれにしても、タケプロンの過剰摂取は絶対に避けなければいけないのです。

 

タケプロンを過剰摂取した場合の対処法は?

 

タケプロンを大量服用した場合の対策は、以下の2つになります。

 

意識がはっきりしているケース

 

意識がしっかりある場合は、安静にすることが第一です。横になって回復を待つのがよいでしょう。無理やり吐かせようとすると、胃酸によって食道が傷ついてしまうことがあります。タケプロンを服用しているということは、食道がすでに負担を受けているケースが多いので、余計にやめたほうがよいでしょう。安静にして症状が落ち着き、動けるようなら、医師の診察を受けるようにしましょう。

 

意識薄い、ないケース

 

もし意識が薄い、ないといった場合は、すぐに救急車を呼んで対処してもらいましょう。こういったケースではできるだけ素早く処置をすることが重要となり、素人にできることはありません。一般的には、気道確保・酸素吸入や、胃洗浄といった対処が行なわれます。

 

用法・用量を守る意識があれば、タケプロンを過剰摂取してしまうケースはまずありません。知識不足が過剰摂取の原因になりやすいので、しっかりタケプロンの知識を持つようにしましょう。