タケプロンの副作用を確認しておこう

 

タケプロンは胃酸過多に効果を発揮し、胃潰瘍や逆流性食道炎に効果のある医薬品となります。効力の強さの割に副作用は少な目とされていますが、まったく症状がないわけではありません。

 

ここでは、

 

  • タケプロンにどんな副作用があるのか
  • 注意点は何か

 

という点を中心に、タケプロンの副作用について解説していきます。

 

タケプロンの副作用が出る確率は?

 

タケプロンは承認時の試験でテストを行っており、副作用が出現する確率も算出されています。

 

病例 副作用発生確率
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症など

15.2%

低用量アスピリンなどのNSAIDsが原因の胃潰瘍など

16.2%(アスピリン)16.1%(その他)

ピロリ菌治療

50.5%

参考ページ:タケプロン添付文書

 

↑を見るとわかるように、臨床検査値以上を含む副作用の確率は15%~50%となっています。ピロリ菌治療で数値が高くなっているのは、通常ではNGとなっている60mgのタケプロン投与を行っているからだと考えられます。

 

15%というと若干高く感じますが、これは重症例と軽症例の合算値となるためで、もし副作用の15%内に入ってしまったとしても、重症化する可能性はわずかで、軽症の副作用で済む場合も多いです。とはいえ、タケプロンに副作用があることは事実ですから、服用前にどんな副作用があるのかは知っておくべきでしょう。

目次

 

 

タケプロンの主な副作用~便秘・下痢や吐き気~

 

タケプロンで頻度の高い副作用の一つに、消化器系の症状があります。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

便秘・下痢、口の渇き、腹部膨満感

気持ち悪い、吐き気、食欲不振、腹痛、カンジダ症、口内炎、舌炎、大腸炎(collagenous colitisなど)

 

タケプロンを服用すると、消化器系の副作用が出ることがあります。特に多いのが下痢(3~4%程度)と便秘(3~4%程度)です。

 

原因は不明ですが、タケプロンの服用によって膠原繊維帯が肥厚することがあり、Na+とCl-の再吸収が阻害されやすくなります。そうなると、分泌性の下痢を発症してしまうのです。また、逆に便秘を発症することもあり、その結果便が溜まって腹部の膨満感を感じたりすることもあります。

 

下痢にしろ便秘にしろ、まずすべきなのは水分補給です。下痢の場合は体内の水分が奪われるので水分補給が必須ですし、便秘は便をゆるくするために水分が必要です。なので、いずれにしても水分をしっかり摂ることが対策となります。タケプロンの副作用で口が渇く場合も、水分を多めに取るようにしてください。

 

それでも下痢などが続くようであれば、膠原繊維性大腸炎(collaganous colitis)を発現している可能性があるため、タケプロンの服用を中止しなければいけません。

 

また、確率は低いですがタケプロンの副作用によって具合が悪くなったり、吐き気・食欲不振といった症状が出る場合もあります。これらの症状がつらいようであれば、同じくタケプロンの服用を中止したほうがよいでしょう。

 

 

タケプロンの主な副作用~肝臓系~

 

タケプロンは肝臓関連の数値が上昇するという副作用が認められています。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇

-

 

医薬品には、腎臓で分解されるものと、肝臓で分解されるものの大きく2つに分かれています。タケプロン(ランソプラゾール)は肝臓で分解される医薬品なので、服用することによって肝臓の数値が上がることがあります。

 

指標名 基準値 基準値オーバーの場合
AST(GOT) 31IU/L以下 肝細胞の障害
ALT(GPT) 30IU/L以下 肝細胞の障害
AL-P 100~325IU/L 肝障害、胆道疾患
LDH 180~240IU/L 肝細胞の障害
γ-GTP 30IU/L以下 肝細胞の障害

 

↑は、各数値の説明で、いずれも酵素の数値となっています。基本的に、これらの数値が高いということは、肝細胞が障害を受け、これらの酵素が血液中に漏れ出ているということになるので、肝細胞がなんらかの損傷を受けているという意味なのです。ALT上昇は0.6%、AST上昇は0.4%の確率となっています。

 

つまり、もともとこれらの数値が高い人がタケプロンを飲むと、肝細胞の障害のリスクが高まるということになります。

 

アルコール性の脂肪肝や肝炎、さらに肝硬変などの肝臓系の疾患を持っている場合、もしくは健康診断などで肝臓系の数値が高いと注意を受けた場合などは、タケプロンの服用は控えたほうがいいでしょう。

 

なお、タケプロンは腎臓で代謝する医薬品ではないので、原則としては腎機能障害がある場合でも通常用量の服用が可能です。

 

 

タケプロンの主な副作用~眠気や頭痛、うつなど~

 

タケプロンには、眠気などの精神神経系に関わる副作用もあります。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

頭痛、眠気

うつ状態、不眠、めまい、振戦

 

タケプロンの精神系副作用の確率は低いですが、それでもいくつかの症状には注意が必要です。まず見られるのが「眠気」です。高確率ではありませんが、もし服用して眠気が出るようなら、運転前や仕事中の服用では注意が必要です。また、逆に「不眠」や「めまい」といった症状もあり、「眠気」と「不眠」の両方が認められていることになります。

 

また、めまいや頭痛と言った症状も低確率ながら認められており、発現するとつらい思いをするかもしれません。重症な場合は別のPPIを試したほうがよいでしょう。

 

眠気が現れた場合、すぐに眠れる環境ならいいのですが、そうはいかない場合はコーヒーなどのカフェイン飲料を飲みたくなるかもしれません。しかし、カフェインは胃壁を刺激する物質であり、胃酸の量が増えることがわかっています。逆流性食道炎の場合はカフェインの摂取は控えたほうがいいので、タケプロンを飲んで眠いからといってカフェイン飲料を飲むのは避けたほうがいいでしょう。

 

 

タケプロンのその他の副作用

 

上で紹介した主な副作用以外にも、タケプロンにはさまざまな副作用が認められています(確率0.1~5%未満)。ここでまとめて紹介していきます。

過敏症~かゆみ、湿疹、蕁麻疹など~

 

0.1~5%未満

頻度不明

かゆみ

湿疹、蕁麻疹(多形紅斑)、味覚異常

 

タケプロンでは、副作用が皮膚に出ることもあります。その中でも多いのが「かゆみ」で、体に湿疹や蕁麻疹のような紅斑が出ることがあります。

 

原因としては、光線過敏症があります。光線過敏症とは、太陽光などの強い光に皮膚が反応し、かゆみや発疹が出る症状のことです。基本的には、光線過敏症が出た場合はタケプロンの服用は中止することになります。

 

また、タケプロンそのものに対してアレルギーがあり、かゆみなどの皮膚症状として出ている可能性もあり、いずれにしても皮膚になんらかの副作用が出た場合はタケプロンの服用は控えたほうがいいでしょう。

 

→アレルギーが起こる可能性はある?

 

さらに、タケプロンは感覚障害が出ることがあり、味覚異常などの症状が出ることもあるようです。

 

ピロリ菌治療時のタケプロンの副作用

 

ピロリ菌の治療目的でもタケプロンは使われます。ただ、ピロリ菌に対して使用される場合、1週間という短期間ではあっても、60mgという通常ではNGな量のタケプロンを服用することになります(通常は1日あたり30mgが限度)。

 

>>タケプロンの用法・用量

 

そのため、副作用についてもやや強めとなっているほか、通常の服用では見られない副作用が現れることもあります。

 

5%以上

1~5%未満

軟便(13.7%)、下痢(9.1%)

味覚異常、腹部膨満感、AST・ALT等の上昇、白血球増多、貧血、発疹、尿たんぱく、尿糖陽性など

 

↑はピロリ菌治療時のタケプロンの副作用ですが、まず目立つのが下痢・軟便確率の大幅な上昇です。通常服用時は3%程度だった確率が、10~13%に跳ね上がっており、7人に1人程度は軟便などの症状が現れることになります。さらに、肝臓のAST、ALTといった数値が上がりやすくなっています。

 

また、通常時の副作用では見られなかった白血球増多貧血といった血液系の副作用も現れるようになります。また確率は低いものの血小板減少も見られ、薬剤性血小板減少症によって血が止まりにくくなるなどのケースが考えられます。

 

ピロリ菌治療時はタケプロンの服用は1週間程度なので、治療が終わればこれらの副作用はなくなる可能性が高いですが、治療中はそれなりに副作用を覚悟しておく必要があるでしょう。

 

 

長期服用・長期投与時は骨粗しょう症に注意

 

タケプロンを含む、プロトンポンプ阻害薬(PPI)は逆流性食道炎によく使用される医薬品であり、長期服用になりやすい特徴があります。

 

海外の観察研究によると、PPIの治療の高容量・長期間(1年以上)の治療を受けた患者では、骨折などのケースが増えるとされています。長期間の投与は骨粗しょう症のリスクが増し、股関節や手の関節、脊椎の骨折をしてしまう事例が報告されています。

 

また、当然ですが長期間のタケプロンの投与をすると、その分上で紹介したようなさまざまな副作用が起こる確率は上がっていきます。たしかにタケプロンは逆流性食道炎の症状に効果がありますが、あくまでも生活習慣改善などの原因解決が必要で、タケプロンだけに頼って長期投与するのは避けたほうがよいでしょう。

 

 

タケプロンのジェネリックの副作用

 

ジェネリックは、「同じ成分が入っていて、名前や価格が違う」という医薬品のことです。当然、タケプロンのジェネリックはタケプロンと同じ成分が入っているので、副作用についても同じと考えた方がいいでしょう。

 

そのため、タケプロンのジェネリックを服用したことによってなんらかの症状が出た場合は、対策もタケプロンと同じということになります。

 

タケプロンは1992年に発売された医薬品で、特許期間の20年を過ぎているため、各社からジェネリックが発売されています。いろいろな名前のタケプロンのジェネリックがありますが、成分自体は同じなので、基本的には副作用も同じように出ると考えてください。

 

同様に、タケプロンにはOD錠(口腔内崩壊錠)もありますが、成分含有量はカプセルタイプと同じなので、副作用などについては通常のカプセルと同じと考えて問題ありません。

 

 

まとめ

 

ここまでタケプロンの副作用について解説してきましたが、これらの副作用1つ1つの発症率はそれほど高くないものです。しかし、すべての症状をまとめると比較的高い数値(先ほど紹介した15%程度)となるので、だいたい6人に1人程度はなんらかの副作用がでる計算になります。大抵の場合はそれほど問題ないけれど、それなりの確率で副作用が出てしまう人もいるということです。「自分だけは絶対大丈夫」と考えてしまわず、タケプロンを服用する前に「副作用に注意しないと」と考えておくことは重要です。

 

また、タケプロンの副作用が出やすいのは

 

  1. 高齢者
  2. 子ども
  3. 肝障害がある人

 

となります。とくに、高齢者は体の機能が衰えてきているので、若い人に比べて余計に副作用について検討しておいたほうがいいでしょう。もし、タケプロンを服用して体調を崩したときは、きちんと医者にかかるべきですが、タケプロンを飲んだことを隠さず、しっかり伝えておくことも忘れないでください。

 

また、タケプロンの副作用を怖がってばかりいても仕方ありません。タケプロンには強いプロトンポンプ阻害作用があり、逆流性食道炎などによく使われている医薬品なのは間違いありません。なので、症状によってはかなり有用な医薬品であることは間違いありません。副作用と効果のバランスを取って、適切にタケプロンを使っていくことが第一となります。

 

タケプロンの効果については、↓のページで詳細に解説しているので、確認しておきましょう。

 

>>タケプロンの胃潰瘍や逆流性食道炎に関する効果